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ベントレーモーターズが「ビヨンド100」戦略を発表、 持続可能なラグジュアリーモビリティのリーダーを目指す
  • 2030年までにエンドツーエンドにおけるカーボンニュートラル達成、クルー工場でクライメートポジティブを実現
  • 2026年までに全ラインアップをPHEVとBEVに移行
  • 2030年までに全ラインアップをBEVに移行
  • 2021年に新たなPHEVを2モデル発表予定
  • 2010年をベースラインとして今後5年で工場が環境に与える影響を75%削減し、プラスチックニュートラルも実現
  • 気温上昇を2度未満に抑えるとしたパリ協定の目標達成を目指すフォルクスワーゲングループに全面協力
  • 多様な人材を採用し、管理職におけるダイバーシティを現在の2割から3割へと引き上げ
  • 「ビヨンド100」戦略により、100年の歴史あるメーカーのあらゆる側面を変革

ベントレーモーターズは本日、持続可能なラグジュアリーモビリティのグローバルリーダーを目指し、「ビヨンド100」と呼ばれる事業戦略のさらなる詳細を明らかにしました。ベントレーは真に持続可能なラグジュアリーを提供するためにあらゆる側面から事業を見つめ直し、次の100年に向け、組織全体として二酸化炭素の排出量をゼロにする、つまりエンドツーエンドでのカーボンニュートラルの達成を目標に掲げます。この目標達成に向け、ベントレーの事業全般および製品全般を対象とする変革プログラムを実施し、2026年までに全ラインアップをプラグインハイブリッドとバッテリー電気自動車に切り替え、2030年までにバッテリー電気自動車のみをラインアップする計画を推進します。

ベントレーは今回の発表により、次の100年もエクストラオーディナリーなクルマを作り続けていく姿勢を明確に打ち出しました。12気筒ガソリンエンジンの世界No.1メーカーが今後10年で内燃エンジンを搭載しないクルマを生産するメーカーへと進化し、持続可能なラグジュアリーモビリティのリーダーとして生まれ変わります。

「ビヨンド100」戦略は先進的かつ革新的な経営目標が盛り込まれた20年にわたる長期計画です。ベントレーは自社の事業活動が環境、社会、経済に与える影響に対して社会的責任を果たすという強い自覚を持ち、80年の歴史ある本社工場のカーボンニュートラル化を英国高級自動車メーカーで初めて実現しました。こうした取り組みと並行し、グローバル市場において過去最高となる68の地域へと事業を拡大したことに加え、長期的に安定したビジネスモデルを構築し、新たな100年に向け確固たる基盤を築いてきました。

ベントレーモーターズのエイドリアン・ホールマーク会長兼CEOはこう語ります。「ベントレーは1919年以来ずっとラグジュアリーグランドツーリングの在り方を示してきました。かつてのベントレーボーイズがパイオニアであり、リーダーであったように、私たちも最前線で進化し続けるDNAを受け継いでいます。そして今、『ビヨンド100』戦略に沿って生まれ変わろうとしているベントレーは、今後もラグジュアリーカーメーカーの世界的ベンチマークとして業界をリードしていきます」

「生まれ変わるのは当社の製品だけではありません。信頼される誠実な経営を行いつつ、事業全体を劇的に転換するパラダイムシフトを実現します。100年の歴史を誇るラグジュアリーカーメーカーが今後10年で持続可能かつ倫理に根差したロールモデルへと姿を変え、皆様に新たなラグジュアリーをお届けします」

エンドツーエンドにおけるカーボンニュートラル

ベントレーは事業活動全体を対象にした体系的なサステナビリティプログラムを土台とし、ラグジュアリーカーブランドとして2030年までにエンドツーエンドにおけるカーボンニュートラルの達成を目指します。このサステナビリティプログラムには、全ラインアップを対象とした電動化モデルの開発をはじめ、事業活動およびティア1サプライチェーンが環境に与える影響へのさらなる改善、リテーラーネットワークとの協力体制の改善などが含まれます。

ビジネスモデルを再定義する取り組みの根幹をなすのは電動化への加速です。2023年までに全ラインアップにハイブリッドモデルを導入し、2025年にはベントレー初となるピュアEVモデルの発売を予定していることはすでに発表済みですが、さらに一歩踏み込んだゼロエミッションモビリティの内容が本日明らかになりました。

まずは、2025年に発売が予定されているベントレー初のピュアEVモデルが、完全なるカーボンニュートラルを実現するための重要な転換点となり、2026年にはラインアップのすべてがPHEVとBEVになります。2030年には全ラインアップがBEVのみとなります。

ベントレーは創立100周年に電気自動車のコンセプトカー「EXP 100 GT」を発表し、電動化の未来のカタチを示しました。このコンセプトカーには持続可能な素材がふんだんに採用され、5千年前の倒木に銅を溶け込ませた「リバーウッド」という木材や、伝統的な方法で生産されたウールカーペット、ワイン醸造過程で生まれる副産物を原料としたレザーのような生地などがこのコンセプトカーの室内を彩っていました。ベントレーは現在生産中のクルマはもちろん、今後生産するクルマにおいても持続可能な方法で調達された材料のみを使用していきます。

ベントレーの生産拠点であるクルー工場は昨年、英国高級自動車メーカー初となるカーボンニュートラル認証をカーボントラスト社から取得しました。この認証取得に向け、ペイントショップで使用する水のリサイクルシステムの導入、地域での植樹活動、本社駐車場へのソーラーパネル1万枚の設置(既存のソーラーパネルとの合計で3万枚)、再生可能電力への完全移行など、20年にわたり革新的な取り組みが行われてきました。

クルー工場は今後も環境を意識した活動をさらに進めていきます。サプライヤーの皆様には、今年末までにサステナビリティに関する監査に合格していただき、サステナブルなサプライヤーであることを証明していただきます。また、エネルギー消費削減、CO2や廃水の排出量削減、塗装工程における溶剤の使用廃止、プラスチックニュートラルの実現などを中心に、2025年末までに製造工程が与える環境負荷のさらなる低減を目指します。こうした活動を通し、2030年までに「クライメートポジティブ」な工場、つまり温室効果ガスの排出量よりも削減量が上回る工場へと移行します。大気中への炭素放出を積極的に削減しつつ、再生可能エネルギーや植林活動への投資も行います。

財務面のレジリエンスを強化し不況に強い体質に

持続可能なラグジュアリーモビリティを実現するには、持続可能なビジネスモデルが必要不可欠です。ベントレーは財務面のレジリエンスを強化し、不況に強いラグジュアリーカーメーカーとして世界的ベンチマークとなることを目指します。新コロナウィルス(COVID-19)の世界的大流行が経済にマイナスの影響を及ぼしていることを受け、ベントレーはこの100年で最大となる変革を実施しました。

ベントレーが推し進めたのは、事業全体の生産性を迅速に向上させつつ、抜本的な構造改革に取り組み、財務面でのレジリエンスを維持することでした。当初は正社員1000人を削減する方向で希望退職者を募りましたが、その後、請負社員約200人を含めた800人の削減に変更しました。

希望退職者を募ったことにより、解雇の対象となる人員数を当初の予定を大幅に下回るわずか10人に減らすことができましたが、現在も解雇を回避するための対応策を検討中です。

こうしてコストと投資を包括的に見直した結果、悪影響が当然視される外部環境にも関わらず、2020年は通年で良好な業績を達成できる見込みとなりました。この新たな組織構造が、今後100年も安定的に収益を上げることができる持続可能なビジネスモデルの基盤となるでしょう。

べントレーを支える優秀な人材

持続可能な価値の創造を担うのは優秀な人材であり、人材を育成し、その力を発揮してもらうことが重要です。今後、クルマの設計と製造には今まで以上に多様な人材が必要となります。一部の分野では再訓練を実施することで人材を確保することになり、デジタルイノベーションやクリエイティブシンキングに精通するスタッフを含む幅広い人材の育成と採用も必要でしょう。

ベントレーは、本社を置くチェシャー州の学校や大学と協力して人材の育成に努め、ベントレーが創設に関わったクルー・エンジニアリング&デザインUTCともさらに緊密な関係を築いていきます。ベントレーブランドの経営理念や将来のビジョンを明確に示し、働きたい企業とみなされる自動車メーカーとなることにも尽力します。多様な人材を受け入れ、管理職におけるダイバーシティを現在の2割から2025年までに3割へと引き上げることも目指します。

ベントレーは今後100年もクルー工場にてハンドクラフトによるクルマ作りを続けますが、デジタル化に備え、研究開発棟として車両テストセンターとローンチクオリティセンターの2棟を新設する計画です。事業拡大とデジタル化への重点的な取り組みによって、ベントレーが価値主導型の企業であることを印象づけ、デジタル化が進む世界においてサステナビリティやイノベーション、コラボレーションといった点をこれまで以上に重視するお客様の価値観の変化に対応します。

今後100年のデジタル化を再定義

デジタル化の再定義は組織内にとどまらず、ベントレーブランドの大切なお客様の多くが利用されるシステムにも及びます。プロダクトビジュアライゼーション、コ・クリエイション、デジタルジャーニーなど、お客様一人一人とつながるコネクテッドサービスネットワークを現在構築中です。このシステムによって、全方位に行き届いたカスタマーエクスペリエンスを提供できます。

「ビヨンド100」は電動化を加速するだけでなく、ベントレーのビスポーク部門であるマリナーの新時代を切り拓く戦略でもあります。マリナーは現在「マリナークラシック」、「マリナーコレクション」、「マリナーコーチビルド」という3部門で構成されています。最近発表された「バカラル」はマリナーの新時代を象徴するクルマでした。マリナーコーチビルドが手掛けた最初の作品であり、EXP 100 GTと同じ持続可能な素材が採用されていました。

これまで100年間、ベントレーはグランドツーリングを定義してきました。お客様に最高の体験を提供することで高い評価を受けてきたベントレーブランドの魅力を維持しつつ、ラグジュアリーカーを求める既存および新規のお客様にアピールするため、パイオニア精神を忘れず、サステナビリティにおけるロールモデルとなり、社会的責任を果たすブランドのリーダーとなるべく「ビヨンド100」戦略を通して確固たる地位を築いていきます。