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ベントレーの研修生が、1920年代に製造された歴史あるエンジンを復元
  • ベントレー創業100周年を記念して、エンジン「 212」を丁寧にレストア
  • 研修生が1923年製4気筒エンジンを蘇らせる
  • 元々はベントレーのシャシー209に搭載されていた0リッターエンジン
  • このエンジンは70年以上前から英国陸軍砲兵隊学校が所有
  • 英国・クルーのベントレー本社の男女が700時間をかけて念入りに復元

英国・クルーのベントレー・モーターズでは、ベントレーの創業100周年記念の一環として、歴史的なエンジンを研修生らが愛情を込めて復元させました。この1923年製のエンジン「No. 212」は、創業者ウォルター・オーウェン・ベントレー(W.O.)が世界で最も人気ある高級車ブランドを創立したわずか4年後にベントレーで製造されたエンジンです。

ベントレーで研修を受けている男女の研修生は、プロジェクトの一環として、部品ひとつに至るまで完全に分解された排気量3.0リッターの4気筒エンジンの復元のための準備に700時間を費やしました。再び組み立てられたエンジンは、クルーのベントレー本社で実施される100周年記念エキシビション用特設フロアに展示されました。

ベントレー・モーターズの上級塗装研修生であるエイミー・デントンは、次のように述べています。「この復元作業に携わったすべての人たちが、この重要な歴史的資料を扱う機会を与えられて光栄に感じています。この経験で、将来のキャリアに役立つ新しいスキルやテクニックを習得することができました。」

ベントレーは、エンジニアリングのみならず、セールス&マーケティングから人事、購買、財務に至るまで、さまざまな分野の研修プログラムを提供しています。最近この業界に入ったばかりの新人研修生は46名です。現在、ベントレーの研修生の総数は130名を超えました。

研修生は自動車研修資格の取得に向けて、3年間または4年間のプログラムを通じて働きながらスキルを習得することができます。

エンジンNo. 212 – 史実を繋ぎ合わせる
この3.0リッター4気筒エンジンNo. 212の初期の歴史についてはほとんど知られていません。製造当初は「シャシー209」と組み合わされていましたが、その後、未知のコーチビルダーの手に渡り、ボディワークを換装されました。その車はベントレーがル・マンで大成功を収めていた1920年代後半に活躍していたと思われます。

最終的にこのエンジンは、英国・ドーセット州ボービントンにある英国陸軍砲兵隊学校に引き継がれ、1935年以降、学生に内燃機関の仕組みを教えるための教材に使用されていました。ベントレーで歴史を担当する研究者は、「シャシー209」の所有者が陸軍砲兵隊の一員だった可能性を示唆しています。

このエンジンは、ベントレーへの返還が提示される2011年まで、学校に保管されていました。その後、安全な保管場所に移されていましたが、昨年、エンジン「No.212」をベントレーの創業100周年を記念して蘇らせるという決定が成され、復元作業が開始されました。

クルーのベントレー本社で研修を受ける研修生たちは、このプロジェクトの計画、予算編成、リスク評価などプロジェクト全体を管理しました。また、社内外の支援者により、さらなる支援の手が差し伸べられました。

復元しやすくするためにエンジンはひとつひとつの部品にまで分解され、個々に写真を撮り、袋詰めされ、コンピューターに記録されました。部品を洗浄・清掃した後、ブラスターで古い塗料を除去しました。最終的に、このエンジンの歴史の一部として識別できるよう、英国陸軍砲兵隊学校で使用されていた色に塗装され、復元されました。

レストア作業と同時に、研修生たちは、エンジンを最高の状態で展示できるよう、専用のエンジン架台を設計し、製作しました。研修生たちは、今後何年にもわたってエンジン「No. 212」を固定しておくため、オリジナルのシャシーの設計図を入手して一組のエンジン架台を作成しました。最後の仕上げとして、エンジンの史実を説明する情報を記載した銘板を取り付けました。

デントンは、さらに次のように付け加えました。「私たちは予定通りに組立作業を完了し、クルーで行われる100周年イベントのためにこれを持ち込み、現行のW12エンジンの横に展示されました。ベントレーの最上級のエンジンが、過去100年間でどれだけ進歩したかがよくわかります。」